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updated date : 2023/05/27

恐怖の夜

これは関東に住む読者の方から寄せられた話になる。 彼には行きつけにしているバーがある。 古いマンションの1階にある古ぼけたバー。 カウンター席しかなく店の照明もただ暗いだけでムードがある訳でもなく 店内にはマスターが好きなジャズのレコードがいつも流れている。 たまには別の音楽をかけてくれと頼んでもキッパリと断られる。 つまりマスターは頑固一徹な人間であり、自分の店なのだから自分の好みの...
updated date : 2023/05/22

キレてしまえばいい

以前からプログで何度も書いてきたが 「霊というモノを必要以上に恐れる必要は無いし、逆に怖がることで霊の 悪戯心を刺激してしまったり増長してしまう結果になり反って恐ろしい 事態に発展してしまう事になる」 これはあくまでAさんからの受け売りなのだが、やはり霊というモノも元々は人間であり根本的な思考回路は同じなのかもしれない。 だとしたら自分を怖がっている相手には強く出るだろうし、怖がっている...
updated date : 2023/05/20

死に顔

樫田さんは高校を卒業するまでは東北のとある田舎町で育った。 山と海に囲まれた自然豊かな街。 そんな彼が小学校の低学年の頃に悲しくも不思議な出来事があった。 その頃彼は小学2年生だったが、クラスの中に1人だけランドセルを持っていない 女の子がいた。 家が貧乏という事でその女の子だけは手提げ袋に教科書を詰めて登校しており 心無いいじめっ子達からはイジメの対象にされる事もあった。 その女の子...
updated date : 2023/05/18

霊能者の資格

世の中には霊能者を名乗る者がそれなりに存在する。 その中には本物もいれば偽物もいる。 いや、その殆どが偽物と言って良いのかもしれない。 知り合いの霊能者であるAさんも以前よく言っていた。 この世の中には似非霊能者が本当に多いんです。 たとえば霊の姿が視えたり声が聞こえたり、なんとなく存在を感じる事が出来るというのはあくまで霊感があるというだけで霊能者ではありません。 霊能者というのは自...
updated date : 2023/05/17

霊感

元々人間には全ての人に霊感が備わっているのだと聞いた事がある。 太古の時代に生きた人々にはその強さは違えど必ず霊感という者が備わっておりそれが生きていくうえで必要不可欠なものだったのかもしれない。 そして、それは文明の利器が発明すらされておらず何をするにも手間を掛けなくてはいけないという不便な生活の中だからこそ霊感という感覚が備わっていたのかもしれない。 しかし、色々と便利なものが次々に発明...
updated date : 2023/05/16

形見分け

形見分け。 それは亡くなられた大切な家族や友人の愛用していた、もしくは大切にしていた物を分け与えられる事。 それは大切な故人を忘れないためかもしれないし、場合によってはそれが残された者にとっての生きる糧になる場合もあるのかもしれない。 しかし、この世には色んな人がいる。 そして、表の顔と裏の顔が違う人だって確実に存在するのだ。 だからもしかしたら形見分けもそんな場合には厄災を呼び込む呼び...
updated date : 2023/05/05

思い出したので書いてみるⅢ

これはかなり以前に俺が体験した話。 その頃はAさんと知り合ってから間もない頃で富山の住職とは親しかったが Aさんとは冗談すら言える関係ではなく当然姫ちゃんとも知り合っても いなかった。 ただその頃は俺が毎週末には必ず友人達と心霊スポットに出かけていた時期でもあり 友人や知人の間ではそれが知れ渡っていた。 しかし、それがいけなかったのだろう。 別に霊感も無ければ霊的な能力も無い俺に色んな...
updated date : 2023/04/20

思い出したので書いてみるⅡ

夢でも良いからもう一度会いたい・・・。 会いたいのに夢に出て来てくれない・・・・。 そんな言葉をよく耳にする。 これから書く篠部さんは母親とあまり良い関係ではなかった。 大学進学、就職、そして交友関係・・・。 それらにいつも口を出してくる母親と大喧嘩してしまいそれ以来同じ家で生活していながら必要最低限の会話を無感情で交わす様になっていた。 ただ母親は大喧嘩依頼、何度も謝って来たし、以前...
updated date : 2023/04/18

思い出したので書いてみる。

これは富山の住職から以前聞いた話。 富山県の某所に古い寺がある。 小さくみすぼらしい寺ではあるが、住職もおり毎日のお務めも欠かさない、 そんなお寺だった。 そしてその寺の境内に隣接する空き地にはとても大きな桜の木があった。 根腐れを起こしているのか、かなり朽ちた桜の木。 いつ倒れるかもしれないその桜の木は地元でも危険視され近づく者もいなかった。 たった1人を除いては・・・。 それは...
updated date : 2023/04/14

地面を掘る理由

富山の住職とはもう長い付き合いになる。 住職が片町に出てきて一緒に酒を飲んだり俺が住職の寺に泊まり込んで飲み明かす事もある。 色んな話を好き勝手に話しながら飲む酒は本当に楽しいのだがやはり住職の寺には数えきれないほどの呪物や曰く付きの品々が安置されており、其処から聞こえてくる呻き声や叫び声を頻繁に聞かされることになりそれだけはどうしても慣れる事は無い。 そんな住職の寺で年に一度俺が手伝わされ...
updated date : 2023/04/09

やはり禁忌の森

彼女は大学を卒業するとそのまま東京の会社に就職した。 中部地方の田舎で生まれ育った彼女にとって東京はまさに憧れの大都会だった。 両親とは大学を卒業した後は実家に戻り地元の会社に就職する約束だったが、一度華やかな都会暮らしに慣れてしまうと、どうしても実家に戻る決心がつかなかった。 田舎じゃ幸せにはならない・・・。 東京でこそ、私は幸せになれる・・・。 そう思っていたのだという。 大学の4...
updated date : 2023/03/19

五つ目の選択肢・完

俺はそこから車で離れる事はしなかった。 Aさんからは「さっさと離れろ」と言われていたがそうはしなかった。 確かにAさんの本気モードというのを自分の眼で見ておきたいというのもあった。 しかし、それ以上に 何も出来ないだろうが何か最悪の事態になった時には助けに行かなきゃ・・・・。 そう思っていた。 2人が倉庫の中へ入ってから10分ほど経った頃だろうか。 突然、俺は背中をポンポンと叩かれた。 ...
updated date : 2023/03/18

五つ目の選択肢・その4

それから5分くらい走った頃だろうか・・・。 Aさんが口を開いた。   完全に読み間違えてました。 いや、完全に騙されてましたね。 私の力を知ったうえで完全に弄ばれた感じです。 あんなの私の経験上、遭遇した事はありません。 嶋田さんの持っているヒトガタと関わりのある霊は大ボスでもなくボスキャラ でもなかった。 あれ程の力を持っているという事はもしかしたら有史以前から存在していた悪...
updated date : 2023/03/17

五つ目の選択肢・その3

そんな事を考えていると少し離れた場所で車に寄り掛かり、缶コーヒーを 飲んでいたAさんが口を開いた。 来ます・・・・もうすぐ此処に! そう言って車から立ち上がるAさん。 えっ、何が来るって? ちゃんと主語を言ってくれなきゃわかんないじゃん? と俺が返すとAさんは 本当に相変わらず緊迫した空気を台無しにしてくれますよね? 映画とかだったらこの場面は登場人物全員が身構えるシーンなんでしょう...
updated date : 2023/03/16

五つ目の選択肢・その2

最初は面倒くさがっていたAさんだったが嶋田さんについて詳しく話していくと重い腰を上げてくれた。 そして俺と会う事を渋る嶋田さんを何とか説得して会社近くのファミレスで話を聞かせてもらう事になった。 ファミレスに入るなりAさんから お勘定はKさんの奢りという事で良いんですよね? と言ったかと思うと俺が首を縦に振るより先に大量の料理を注文する。 最近は、オーダーが口頭じゃなくタブレットになったお...
updated date : 2023/03/15

五つ目の選択肢・その1

世の中には本当に色んな人間がいる。 他人の事になど気を配る事もせず全てが自分最優先。 周りにいる人間を利用する事しか考えていない・・・。 身勝手極まりない人間。 そんな奴と出会う度に本当に嫌な気持ちにさせられる。 だが、そんな奴とは真逆の人間も確かにいるのだ。 常に他人に気を配り相手の気持ちを最優先に考える。 周りにいる人間の役に立とうと努力し実行する。 自己犠牲の精神の持ち主。 ...
updated date : 2023/02/28

ストレッチャー

これはブログの男性読者の方から聞かせて頂いた話になる。 彼はその時、車の事故で意識を失い気が付いた時には病院のヘッドで寝かされていた。 目が覚めた時には彼の体は仰向けでベッドに縛られた状態で寝かされていた。 一体何が起こっているのか彼には理解出来なかった。 しかし、すぐに医師がやって来て彼に状況を説明してくれた。 彼は事故の衝撃で車体に足が挟まれてしまい両足の太腿が複雑骨折しており皮膚か...
updated date : 2023/02/23

「営業中」

添田さんは50代の頃に会社を辞めて喫茶店を開業した。 喫茶店のマスターはずっと憧れていた仕事だった。 その為に脱サラしてからしばらくは人気がある喫茶店でバイトもしたし、 珈琲についても色々と勉強し自分なりのオリジナルブレンドも作った。 開業資金はそれほど掛からなかった。 そもそも閉店していた喫茶店を買い取ってクリーニングだけを徹底した。 勿論、あまりお金を使いたくなかったというのもその理...
updated date : 2023/02/22

山の中に浮かぶ明かり

北出さんは20代の頃、心霊スポットに行くのが週末のルーティンになっていた。 同じ高校を卒業した友人達と廃屋や廃村、心霊スポットと呼ばれる場所に 数えきれないほど行ったそうだ。 しかし、彼らが行くのはいつも昼間。 理由は単純で夜に行くのは怖すぎるから。 夜だけでなくたとえ昼間だったとしても、暗くどんよりとした天気の日には行くのを 迷ったというのだからなかなか興味深い。 そんな彼らだった...
updated date : 2023/02/19

手作り石鹸

これはブログの女性読者さんから寄せられた話になる。 その時彼女は特に変わった事をしたわけではなかった。 部屋を整理していた際に偶然机の引き出しの奥から見つけた手作りの石鹸。 それは大学時代に友人達と一緒に受講したエコロジー手作り教室で二人一組で ペアになり作った石鹸だった。 ボディソープにハンドソープといった感じにもうずっと長い間石鹸など 使ってはいなかったが、何故かその時は懐かしさか...