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updated date : 2018/10/07

廃線路を走るモノ

語り人Kです。


皆様、お疲れ様です!


土曜日は仕事でした。


風邪気味なので、早く寝たら、これまた予想外に早く


目が覚めてしまいました。


ということで、『日付が変わってからすぐに更新するシリーズ』でも


いってみましょう。


ちなみに、全然眠たくなりません。


どうしましょうか?


という事で、私は別の話でも書く事にします。


良かったらお読みください。


それでは、どうぞ!










これは知人から聞いた話。

 

知人とは仕事上の付き合いなのだが、何かと気が合って、たまに

 

一緒に飲みに行ったりしている。

 

そして、彼は能登に住んでいる。

 

能登は残念ながら交通の便が良いとは言えない。

 

車があれば全く問題無いのだが、バスや電車で行こうとするとその不便さには

 

閉口してしまう。

 

彼自身は、当然車を所有しているから問題無いのだが、彼の家は七尾市の

 

郊外に新築で購入したものらしく、喫煙家の彼としてはなかなか不便な

 

思いをしているそうだ。

 

それはやはり、家族の手前、家の中では煙草を吸う事が出来ないということ。

 

もっとも、そんな事はよくある話なのだが・・・。

 

ただ、彼の状況が少し他の人と違うのは、家のすぐ横に廃線になった列車の

 

線路がいまだに残されているということである。

 

確かに、能登に行くと、いまだにはっきりと線路が残されている場所が

 

多いのは以前から知っていた。

 

元々、七尾市で生まれ育った彼にとって、それまではそんな事など気にした

 

事は無かったという。

 

しかし、廃止された線路の近くに住んでみると、やはり少々不思議な事が

 

起こるのだという。

 

彼はもしかしたら霊感が強いのかもしれないが、よくベランダに出て

 

煙草を吸っているとかなり向こうの線路を列車が通っているのを何度も目撃

 

した事があるという。

 

勿論、それは夜間に限っての事なのだが、それでも、どこか頼りない明かりを

 

残しながら列車が走り過ぎていくのを見ると、まるで自分が別の世界にでも

 

紛れ込んでしまったかのように感じて恐ろしくなる。

 

そして、その話を家族にしても、誰も彼の話を信じてはくれなかった。

 

ただ、過去に何度か寝ている時、彼は振動の様なものを感じて目を開けると、

 

家の近くの線路を走っていく列車の音と振動がはっきりと分かったという。

 

そして、思わず蒲団から起き上がった彼が見たのは、蒲団に包まりながら

 

恐ろしそうな顔で目を開けている妻の顔だった。

 

その時、彼は感じた。

 

妻も列車の話を信じてはくれないが、間違いなく、その時は列車が通り過ぎていく

 

音と振動をはっきりと感じていたのだ、と。

 

それからは、少しだけ気が楽になったそうだが、一度だけ本当に恐ろしい体験を

 

したのだという。

 

そして、それはこんな内容だった。

 

その日、彼は仕事から帰宅し、いつもの様に食事と風呂に入って、いつもより

 

早い時間に床についた。

 

特別疲れていたという訳ではなかったが、何か気持ちが落ち着かなかったという。

 

そして、蒲団に入り目をつぶっていたがなかなか寝付けない。

 

それでも、2時間ほど布団の中でぼんやりと過ごしていると知らないうちに

 

寝てしまったそうだ。

 

そして、何故か真夜中に目が覚めた。

 

時計を見ると、午前2時半くらいだった。

 

彼は一度寝ると朝まで起きないというのが、自慢だったらしいのだが、

 

その時には何故かはっきりと目が覚めてしまったという。

 

妻は隣でいつものように寝ていた。

 

彼は、仕方なく煙草を持つと、そのまま寝室の横にあるベランダに行った。

 

勿論、煙草を吸う為に・・・。

 

ベランダに出ると、さすがに車が1台も走っていなかった。

 

それにしても、秋だというのに虫の音が全く聞こえてこない。

 

虫も寝てるのかな・・・・。

 

そんな事を考えながら彼は煙草に火を点けた。

 

肺の奥まで煙を吸い込んで、そして思いっきり吐き出す。

 

まさに至福の瞬間だった。

 

煙草の白い煙が秋の冷たい空気に溶けていく。

 

そして、その時、彼はずっと遥か向こうを走っていく列車の明かりの様なものを

 

見つけた。

 

もう、この地域には列車など走ってはいない筈だった。

 

いつもは気持ち悪く感じる、正体不明の列車も、その時の彼には、どこか

 

懐かしいものに感じられた。

 

あの列車は何処から来て、何処まで行くんだろうか・・・・・。

 

そんな事をぼんやりと考えながら彼は、その遠ざかる明かりを見ながら煙草を

 

吸い続けた。

 

その時、突然、彼は何かの視線を感じて、その場に固まった。

 

誰かに見られている・・・・。

 

しかも、一人や二人ではなく、もっと大勢に・・・・。

 

彼は恐る恐る視線を落とすと、そこには真っ黒な列車が線路の上で停車していた。

 

1度、視線をその列車に向けてしまうと、もうそこから視線を外す事は

 

出来なかった。

 

怖い筈なのに、どうしてもその列車を見てしまう自分がいた。

 

すると、列車の中には沢山の人が乗っており、乗客の殆どが彼を

 

凝視していた。

 

睨んでいるというのではなく、ただ、じっと見つめている様に見えた。

 

羨ましそうな眼・・・。

 

そんな表現がピッタリくる顔だった。

 

そして、列車に乗っているそれらの乗客は皆、同じ服装をしていたという。

 

藁の袋に穴を開けて着ている様な服装。

 

それが、まるで囚人服の様に見えて、彼は更に恐怖した。

 

それでも視線はどうしても外す事は出来なかった。

 

そして、そうやって列車の車内を見ているうちに、彼はある事に気付いた。

 

それは、列車の乗客の中に、周りのモノ達とは様子が違う人間がいる、

 

という事。

 

他の乗客たちはまるで生気の無い、死人の様な顔をしていたのだが、その中の

 

ごく少数の人間は、まるでその列車から逃げ出そうともがいている様に

 

見えた。

 

彼はとっくに煙草を吸い終えて、火が消えた煙草をただ口にくわえている

 

だけだったが、彼にはその煙草を口から離す事も、そして体を動かす事も

 

出来なかった。

 

そのまま、そんな時間がどれくらい過ぎただろうか・・・。

 

突然、その列車は静かにゆっくりと動き出した。

 

離れていく列車の窓からは沢山の顔がいつまでも彼の顔を見つめていた。

 

そして、もう列車の窓すら分からない位の距離まで離れた所で彼の体は

 

金縛りが解かれたかのように自由になった。

 

しかし、彼は体の力が抜けてしまい、そのまま茫然とその列車が見えなくなる

 

まで、見つめ続けていたという。

 

そして、そのまま彼は寝室に戻り布団に入ったが、朝まで一睡も出来なかった。

 

その時の恐怖で頭の中が混乱していた。

 

そして、無事に朝になったが、彼はその夜見た列車の事は家族には一切

 

喋らなかった。

 

別に信じてくれないから、という理由ではなかった。

 

何故か、その列車の事は、他の人に話してはいけないのだと感じたからだった。

 

ただ、その事があってから、彼は何度か同じような体験をした。

 

真夜中に目が覚めて、ベランダで煙草を吸おうと思い窓に近づいた時、何か違和感を

 

感じてカーテンの蔭から外を見ると、そこにはあの列車が停まっていた。

 

同じように生気の無い人達を乗せて、そして逃げ出そうと足掻いている

 

人を乗せて・・・・・。

 

そんな事が数回続いてから、彼はもう2度とベランダで煙草を吸うのを

 

辞めて、今では台所の換気扇の前だけが彼の喫煙場所になっている。

 

そして、彼は最後にこう言っていた。

 

きっとあの列車は俺の事を迎えに来ているんだと思う。

 

だから、今度またベランダで煙草を吸っていて、あの列車に出会ってしまったら、

 

その時には今度こそ、あの列車に連れて行かれてしまうような気がする、と。

 

そして、あの時見たように自分も、その列車から必死で逃げだそうと足掻いたまま

 

何処かへ連れて行かれるんだろうな、と。

コメント

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kさん、こんばんは!

日中に電車の音聞こえませんが、真夜中にベランダ出ると貨物列車の夜な夜な通る音がかすかに聞こえてきます。
目視できず、音だけだと少し不気味に感じますね。

異界に連れて行かれる人たちって、そのあとどうなってしまうんでしょうね?
その先の結末がわからないと怖いです汗

Re: 今日、Kさんの本見ました

ともさん、こんばんは。
近鉄の難波駅のコンビニに私の本がありましたか?
それは素晴らしいです。
涙が出そうです。
しかも、端の方から真中に移動して頂いたなんて、ともさんは神ですか?(笑)
また、宜しくお願いします。

鉱山鉄道…

そこで働いて(働かされて)お亡くなりになった方達なのでしょうか?

今迄も終電車に乗ったら…というような話がいくつかありましたよね?
そのまま乗っていたら黄泉の国へ連れていかれたかもしれないというような…。
降りようともがいている人達は、どこでその電車に乗ってしまったのでしょうか?
降りることは不可能なのでしょうか?
考えれば考える程、不思議で怖いです><;

そして、やはりその電車が現れる時には何の音も聞こえなくなるのですね。
虫の声さえも…。
キャンプでの怪、バス停での怪、どこにいても不思議な怪異現象に出会う時は大抵の場合、何の音も聞こえなくなるのですね。
誰もが、虫でさえも、風でさえも、恐れて何の音も声も出せなくなるのでしょうか?

「無音」になったら要注意なのかもしれません。

その方が、今もご無事で何よりです。

今日、Kさんの本見ました

Kさん皆さん、こんばんは🌙

近鉄なんば駅のコンビニで、飲み物を買うついでに、「特急の中で怖い本でも読もう!」と、文庫本の本棚を見ていると、Kさんの第二段が並んでいました🎉
長旅のためか、近鉄の特急の止まるコンビニには、何故か推理小説や怖い本が結構おいています。
嬉しくなって、おもわず手に取って、端の方から真ん中に移動しておきました😋

廃線路は近くにはありませんが、私の子供の頃はストで電車が動かない時があり、父と線路を歩いたことを思い出しました。もちろん、昼間ですが…。

ないはずのものがあったり、あるはずのものがなかったり、頭でわかっていても、現実がちがうと、とても怖いです。

No title

こんばんは
更新有難うございました。
廃線なのに電車が来るって怖すぎですね。
家の前の所で停車して待つなんてもう二度と
夜のベランダには出られないですよね 挙句外で恐怖のお迎えなんて怖い(;´Д`)
私も過去に1度だけ自分の寝ている部屋だけが地震みたいに結構揺れて箪笥が倒れないように足と手で寝ながら抑えた事があり、朝に皆に地震の確認をしたら誰も地震はなかったという事がありテレビでも一切報道していなかったので不思議でした。
寝ぼけていたのかとも思いますが、リアルにはっきり覚えています。

kさん風邪心配していました。
少しずつ回復しているようで良かったです。
お大事に

まさか日付がかわってからの😲

更新、ありがとうございますm(_ _)m

私も3年ほど前まではホタル族(死語😱)でしたので、わかります😱怖いです😱夜の怖さに換気扇の前になりましたもの💧
(今は身体悪くなってやめました💧)
家の前でそんな電車🚃怖すぎです😱
音や振動があるとか、すごいですね😵

鉱山鉄道

阿佐ヶ谷さん知的好奇心ナイス‼️

ちこっとですが調べてみたら、能登で鉱山列車走ってたみたいですよ。

囚人ではないのかも。
鉱山で無理やり働かされてた人かなぁ。
でも「納豆の妖精」も否定できないよ‼️
私は好きだよ‼️
断然、納豆の化身説派だよ‼️

Kさん、お身体お大事に。
私もそろそろ咳喘息きそうです。

黄泉の国への列車?🚌

Kさん皆様、こんばんは。m(__)mKさん、体調がマシになったようで、良かったです。(*^^*)前にも、終電の話がありましたが、やはり電車は怪談の舞台になりやすいのでしょうか?😓私は、今日彦根駅から兵庫県の三宮駅まで用事があったので、電車で行きましたが何事もなく帰ってこれました。😰昔、映画で「トワイライトゾーン」という映画を見た事があります。Kさんの知人も、日常に潜む〝違う世界〟の入り口に入ったのかも。😨

その服装は

間違いなく強制労働の囚人だと思います!能登の歴史を調べます❗

こんにちは。

会いたくない電車ですね。

廃線ではありませんが、姉が線路際?のマンションに住んでいた事がありましたね。

まぁ〜、怖い話は聞きませんでしたが。

姉より子供の方が…多少の霊感?があったと聞きましたが。どうなんでしょうね。

どこに連れて行かれるんですか~😭

Kさん皆様こんにちは

私の家の近くにも、線路があるのでドキドキしながら読みました。

皆さんどういう状況で、その電車に乗ることになったのでしょうか?

私は、通勤するとき電車はいつもガラガラなので、座っていると爆睡してしまい、家から直ぐの職場なのに、何回か通過してしまってます。

爆睡してて、起きたらそんな電車だったら、どんだけパニックになるやら(-_-;)

絶対に会いたくないです。

では、皆様ご自愛くださいませ。

お揃いのユニフォーム?

夜の列車はそれなりにいい味出してるけど、家の前で止まるのはなぜでしょう。知らない間に駅が作られた?連れ去られた人の行方が気になります。
藁の服にも特別な理由がありそうですね。もしや、昔の納豆の化身?冬に木に巻きつけ春に虫と一緒に燃やされた藁と虫の祟り?どっちも小さいな。
私の家も線路から近いので、地震と勘違いして時々ビクッとします。
台風は終わったかな。前回今回どちらも仕事の休みにぶつかり、たまたま前日に飲んだお酒のせいで爆睡し、雨音の記憶が少しあるだけ。お酒に弱く普段も飲まないので、一缶だけで夢の中。
ん?今、風が強くなってきました。道南は元気です。

怖いです

Kさん 皆さん こんばんは

夜中に ぱちりと 覚醒してしまい なんとなくここへ訪れ 更新されているのを見て 小躍りしました。ありがとうございます。

怖いですね。不思議ですね。列車は 何処へ向かうのでしょう。どこが 運営しているんでしょう(笑) 廃線って 風情があって 廃線を含めた風景が とても好きだったのですが
こんなこともあるのですね。

更新嬉しいです

この話の方と同じく夜中に目が覚めてベランダで煙草を吸っていて、もしかしてと思いましたら、更新されており正直嬉しかったです。Kさんお疲れの所有り難うございました。全員藁の貫頭衣?とか今までも全員同じ格好の話あったと思いますが、怖いです。

真夜中の怪談

Kさん、こんばんは。

走っているはずのない列車、何処へ連れていかれるのでしょうか。
列車や駅に纏わる話は数多くありますが、無事生還できる人がどれくらいいるか、気になりますね。😱
私の友人から聞いた話は、酔って終点迄乗ってしまい、帰れなかったという怖い話ですが。😅

また、次のお話を楽しみにしています。

昼夜逆転にお気をつけて...

Kさん、読者の皆さんこんばんは!
いよいよ鹿児島史上最大のフェスがあと半日で始まるということで寝ずに待機しています。ただ、夏休み中の自分もそうでしたが、夜眠れないときは出来るだけ朝方に眠らないように気をつけてください...。朝方に寝るとあれよあれよという間に昼夜逆転へ突入する可能性があるので...。

廃線の話ではよく真っ黒い電車が登場しますが、それらはやはりあの世とこの世を結んでいる特別な電車なのかなと思います。今回に限りませんが、昔は電車にまつわる凄惨な事故も多かったらしいので、廃線にもたくさんの歴史があるように思えました。

今回もありがとうございました!次回も楽しみにしています!

こんばんは!真夜中の更新ありがとうございます👍てか、私ん家の真横も廃線がありますよ❗️ま、土を盛ったり、部分的にアスファルトになったりで、今は見えませんが❗️でも線路🛤て、なんか引かれる物がありますよね❗️子供の頃はそこが遊び場でしたね❗️ま、今回の怖い話のように、線路は異界の者達も利用するってことなんでしょうね❗️ただ、人間らしき者が乗ってるのは❓ですし、なぜ彼の家の前で停車してるのかも謎ですが‼️案外乗ったら楽しい…くはないか💦