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updated date : 2020/02/18

追いかけてくる・・・・。

先日、俺が片町で飲みすぎて帰宅したのは午前3時頃だった。


バーで1人で飲むのは楽しいが、やはりひとり飲みは、ついつい


飲みすぎてしまうのが辛いところだ。


まだ平気だと思い、飲んでいたが、店を出る頃には足元がかなり


ふらついていた。


千鳥足というのではなく、真っ直ぐに歩いているつもりでも、


何故か左側に進んでしまう。


そうして、ようやく辿り着いたタクシー乗り場の前には、コンビニが


在るのは分かっていた。


そして、コンビニを見るとついついお腹が空いてしまうのも悪い癖だ。


俺は、吸い寄せられる様にしてコンビニの店内へ。


そして、またしても余計な食い物を買い込んで帰宅。


しかし、タクシーに乗っている時にはもうかなり酔いが回っていた。


目が回って仕方がなかった。


それでも、家の側でタクシーから降りドアの鍵を開けて玄関に入った。


しかし、そこでもう限界だった。


俺はゆっくりと倒れこむ様にして玄関にしゃがみこみ、そのまま


寝てしまった。


我が家に辿り着いたという安心感からか睡魔が止め処なく襲ってくる。


体はアルコールのせいか、温かかった。


俺はゆっくりと目を閉じた。


何分くらい寝たのだろうか・・・。


俺は寒さで目を覚ました。


こんな所で寝てしまったら朝には死んでるかもしれない・・・・・。


そう思い、重い体を引き摺るようにしてリビングに這って行く。


明かりをつける元気は無かった。


俺はファンヒーターの側まで行くと、点火ボタンを押して、そのまま


眠りについた。


その時、ふと、何かが階段を降りてくる音が聞こえたが、それも


睡魔がすぐに忘れさせてくれた。


誰くらい寝たのだろうか・・・・?


部屋の中は薄暗く、まだ夜は明けていないのが分かった。


それにしても、寒い・・・。


どうして?


ファンヒーターが動いている音は聞こえているというのに・・・・。


俺は少しだけ体を動かそうとした。


体が硬く冷たい場所に在るのが分かった。


一体何が起こってる?


俺は、ゆっくりと上半身を起こして振り返った。


すると、其処には、ファンヒーター前の特等席を占拠するかのようにして


妻と娘がごろ寝していた・・・・。


どうやら、娘がリビングに降りてきた後、すぐに妻も降りてきたらしく、


あまりにも気持ち良さそうに寝ている俺の姿にムッとして


妻と娘の2人で俺の体をファンヒーター前から冷たいフローリングの上へと


移動させたらしい。


気持ち良さそうに寝ている妻と娘が、その時の俺の目には、


「悪魔!」


にしか見えなかった。


本当に恐ろしい体験だった。


ということで、ここからが本題です。


どうぞ・・・・。










彼がそれを知ったのは出張から帰る途中の電車の中だった。

 

彼が彼女と出会ったのは高校の同窓会。

 

彼の高校はかなり生徒数が多かったらしく当時はその存在すら知らなかった。

 

そして、同窓会に出席した友人から紹介されて彼らの交際が始まった。

 

目立つのが好きな彼と、目立つのが嫌いな彼女だったが何故か相性が良く

 

一緒にいるととても落ち着くのだと、のろけ話を聞かされていた。

 

そんな二人だから、いつしか一緒に暮らすようになった。

 

同棲を始めてからも二人の仲の良さは羨ましいほどであったから、周りの

 

友人達は彼ら2人がいずれは結婚するのだろうと確信していた。

 

しかし、やはり同棲が長くなるとそれなりにお互いの嫌な部分も目につく

 

様になる。

 

それはどんなカップルにも言える事なのだと思う。

 

だから、彼らも喧嘩をする事はあっても、すぐに仲直りするというパターンを

 

繰り返していたから周りの友人達もそれほど心配もしてい無かったし、彼自身も

 

ちょくちょく喧嘩はしていても彼女の事を嫌いになる事もなくいずれは

 

結婚するつもりだった。

 

そんなある日、彼ら2人がまた喧嘩をしたという。

 

喧嘩といっても彼が一方的に責め立てるらしく彼女は黙ってそれを聞いている

 

という感じらしいのだが、その時の喧嘩はかなり激しいものだったらしい。

 

そして、それから彼は数日間、二人で住んでいたマンションには帰らなかった。

 

彼にしてみれば、少しお灸をすえようと思っただけらしいのだが・・・。

 

そして、運の悪い事に、その矢先、彼が別の女性と楽しそうに歩いているのを

 

彼女が目撃してしまう。

 

実際にはその女性は彼にとってある意味、母親的な存在であり事あるごとに

 

色々と相談に乗ってもらっている女性であり、その時も彼女との仲を

 

その女性に相談していただけのようだった。

 

ただ、彼女にとってはそんな事など知るばすも無く、かなりのショックを受けた

 

ようだ。

 

結局、数日後、彼がマンションに帰ると、彼女の置手紙がテーブルの上に置いてあり、

 

彼は彼女が受けたショックの大きさを知ったという。

 

だから、彼は彼女が帰って来るのを待ち続けた。

 

携帯は繋がらず、実家に電話をしても何も情報は得られなかった。

 

そして、彼女の友達や会社に電話したとき、彼女が全てを投げ出して何処かへ

 

消えたのだと悟ったという。

 

それでも、彼は仕事を休む訳にもいかず、黙々と仕事をこなし続け、そして

 

出張の帰りの電車の中で彼女の訃報を聞いたという。

 

何が起きたのか、全く理解できないまま、彼は指定された病院へと

 

向かった。

 

そこで、彼は、彼女の死が自殺だったのだと聞かされた。

 

首を吊った状態で、首が伸びて垂れ下がり、そのまま下に在った池の中に

 

体が浸かった状態で発見されたのだ、と。

 

そして、彼女の遺体と対面する際、警察からは、

 

出来れば見ない方が良い・・・・。

 

と忠告されたという。

 

見たら、きっとトラウマとなって一生後悔する・・・・と。

 

それでも彼女の死がいまだに信じられなかった彼は、警察の言葉も聞かず、

 

彼女に掛けられていた白い布をめくった。

 

そこには彼女である事は間違いないが、とても彼女には見えない凄まじい

 

形相の女が横たわっていた。

 

口が大きく開き、歯を剥き出しにして目をカッと見開いている。

 

首つりだと聞かされた彼女の首は長く伸び、そしてそれが別の生き物のように

 

曲がっていた。

 

そして、死後それなりの日数が経過していた彼女の遺体は体中にウジが湧いて

 

とても正視出来るものではなかった。

 

それでも、彼が見開いた彼女の両目を閉じてあげようとした時、警察からは

 

何度、目を閉じさせてもすぐにまた開いてしまうのだ、と聞かされた。

 

正直、見なければ良かったと後悔したという。

 

そして、彼女の通夜に参列した彼だったが、通夜の間中、棺からは原因不明の

 

唸り声のようなものが聞こえてきて通夜の会場は騒然となった。

 

ずっと聞こえ続ける唸り声が会場に響き続け、係りの職員が棺の蓋を開けて

 

確認しようとしたらしいが何故か棺の蓋は開かず、通夜の会場は我先にと

 

会場から逃げ出す弔問客で御騒ぎになった。

 

そんな通夜だったから、翌日の葬儀に参列する者も少なく、彼女はごく一部の

 

家族にだけ見守られながら荼毘に伏されたという。

 

そして、葬儀が終わって1週間程が過ぎた頃、彼の身の回りで怪異が起こり始める。

 

最初は些細な事だった。

 

毎日、仕事が終わり帰宅すると、マンションの中を濡れた何かが引き摺られた様に

 

ベッタリとした水の跡が階段からエレベータ、そして廊下へと続き、最後は

 

彼の部屋の前で消えていた。

 

そして、それは毎日、雨の日も晴れの日も同じように水の跡が残されていた。

 

最初はそれが何か分からなかった彼だったが、もしかしたら彼女が自分に会いに

 

来てくれているのではないか?と全く恐怖は感じず、むしろ嬉しささえ感じていた。

 

しかし、それはどう見てもびしょ濡れの何かが這いずってやって来た

 

様にしか見えなかった。

 

それからは彼の勤める会社でも同じような水の跡が見られるようになり、

 

それは彼の仕事用にデスクの前で消えていた。

 

更に、彼が仕事で使っている社用車の助手席まで何かが這いずってきた

 

跡が見つかり、彼は思わずゾッとしてしまう。

 

それでも、やはり亡くなった彼女に、一目会って謝罪し本当の事を話したかった

 

彼は、彼女に会えるのを待ち望んでいた。

 

そんなある日、彼がマンションの部屋で寝ていると何かが玄関のインターホンを

 

押す音が鳴り響いた。

 

時刻は午前2時を回っていたという。

 

彼はもしかしたら彼女がやってきたに違いない、と思い、急いで玄関モニターを

 

チェックした。

 

すると、そこに映っていたのは廊下に這ったままの状態で首だけを伸ばし、

 

インターホンをヘビのような長い腕で押している亡くなった彼女の姿だった。

 

そして、その顔は直視出来る限界を通り越しており、彼は思わず吐き気を

 

催した。

 

それと同時に、その姿に例えようにない恐怖を感じた彼は、そのまま部屋の中で

 

蒲団にくるまったまま朝まで一睡も出来なかったという。

 

生きた心地がしないまま何とか無事に朝を迎えた彼は、再び玄関モニターの画面を

 

確認し誰もいないと分かると、急いで部屋から逃げ出した。

 

そして、その日は仕事帰りに友人を誘って飲みに行き、その後、友人に部屋に

 

一緒に泊まってもらおうとマンションに帰ってきた彼だったが、部屋に入ると

 

部屋の中がベッタリと水で濡れていた。

 

恐ろしくなった彼は、その夜はネットカフェで一夜を過ごした。

 

しかし、朝になってチェックアウトしようとした際、彼が利用していたボックス席

 

のすぐ近くまでいつもの水の跡が付いている事に気付いた。

 

彼はもうパニックになってしまい、支払いを済ませると急いで不動産屋に向かった。

 

そして、新しいワンルームマンションを契約すると、それまで住んでいた

 

マンションは解約し家財道具も全て処分して貰う事にした。

 

彼としては、引っ越しで荷物を運ぶことで、新しいマンションの場所を彼女に

 

見つけられそうで怖かったのだという。

 

しかし、彼が新らしいマンションでの生活を初めた翌日。

 

彼は朝になって部屋から会社に向かおうとした時、それまで住んでいたマンションと

 

同じように階段から廊下、そして彼の部屋へと続いている這いずったような水の跡

 

を見つけてしまう。

 

彼はそれからすぐに仕事も止めてマンションも引き払い、田舎へと

 

帰る事にした。

 

しかし、やはり彼が実家に戻っても同じ事が起きた様で、それから先は

 

彼はまるで浮浪者のように様々な場所を転々としながら生活する様になった。

 

しかし、何処へ逃げても必ず彼女が追いかけてくるのだという。

 

北海道へ行っても沖縄へ行っても同じ・・・・。

 

そして、海外へ逃げても結果は同じだった。

 

彼は携帯も捨て、誰とも連絡を取らずに思いついた場所を転々としながら

 

彼女から逃げ続けた。

 

そして、最後に彼から手紙が届いたのは彼が船で海外へと向かっている最中に

 

書いた手紙だった。

 

何処に向かうのかも書かれてはいなかった。

 

ただ、現地に無事に辿り着いたら、その時にもう一度手紙を書く、とだけ

 

書かれていた。

 

そして、彼からの手紙はあれから1年以上経つというのに未だに届いてはいない。

 

もしかしたら・・・いや、きっと彼はもう彼女に追いつかれ、そしてそのまま

 

連れて行かれたのではないか?

 

俺には、そう思えて仕方ないのだ・・・・・。

 

 

コメント

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彼はお祓いに行こうとはしなかったのかな?

お祓いしてもらい謝れば連れていかれなかったのかもしれない。

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No title

人の思いって軽くないですからね~。
でも、この方達の様に、いつものように・・・と、思う彼と今回は違った彼女。
思い方が同じならこんな風にはならなかったであろう事でも、同じなんて無理な事。
悲しい。

祝😊

いきなりのお話し?と思ったら…。
Kさんの前説があったので、嬉しくて嬉しくて、小躍りしてます。私が嬉しく思う最大のことは、Kさんがいろいろ言われても信念を貫かれたことです。日々私はいろいろなことをあきらめたり、振り回されたりして、なかなか自分を貫くことが出来ずにいました。そんな中で、今回の復活をされたKさんはすごいと思いますし、励まされました。ありがとうございます☀️

K様、皆様こんばんは。

前説の復活、想像してニンマリしました。
相変わらず楽しいほんわか家族ですね。
怖くない話は、想像すると怖さ倍増です😅
気持ちのすれ違い、悲しいお話ですね。

完全復活嬉しゅう御座います

新しい切り口で前説の筆も冴え渡りますね‼

これぞ、Kさん怪談だ!

Kさん、皆様こんばんは。m(__)mいや~、久しぶりの前説ありの、Kさん怪談。(*^^*)嬉しい‼二人がかりでフローリングに降ろされても、起きないとは、よほどお疲れだったのでしょうか。(((^^;)さて、今日の話。うーむ。ケンカの真っ最中って、お互いに頭に血が昇っているから、つい、言ってはいけない言葉を言い合ってしまいます。意地もあるから、謝れないけど謝りたいから彼女が彼の元に行くのか、それとも、ケンカの時に彼が彼女に言ってはいけない言葉を言った事が、死してなお許せないのか。口は災いの元ということわざの意味を教えられる話ですね。(((^^;)

Kさんはご家庭ではいじられキャラなんですね

Kさん皆様こんばんは

今日の前説想像してにやにやしました。
Kさんはきっとアイドル的存在なんでしょうね。・・・多分。

本編は、愛した人を憎むなんて本当に悲しいですね。

私も気持ちは分かりますが、そんな憎しみに生きるなんて、私の人生もったいないわ!

と思って、憎むだけの人生は送らないようにしたいです。

本当に悲しい話でしたね。

では、皆様ご自愛くださいませ。

愛憎・・・

語り人のKさん

青文字だから前説かな・・・なんか本文ぽいぞ・・・からのオチに(笑


彼女はどんな気持ちで命を絶ったのか・・・彼への愛の深さゆえ、憎しみも深くなるのでしょうか。
彼女が彼を追いかけた理由はなんでしょうか。
この結末の是非を知りたいような・・・知りたくないような。

思いを正しく伝える、言葉にする事は大切ですね。

No title

こんにちは。
「あれ?Kさんフォント色、間違えてる」と思ったんですが、話のオチを読んで、前説と気が付き、嬉しくなってしまいました(笑
プレッシャーをお掛けする訳ではないのですが、たまに書いて頂ける前説がとても楽しみです。

本筋の方は。。。とても悲しいお話ですね。
自分もパートナーに悲しい思いをさせない様にしようと、戒めながら読まさせて頂きました。

前説ありがとう

Kさん・みなさんおはようございます。

久々の前説、ありがとうございます。
お嬢さんや奥様のご様子が伺えてなによりでした。どうしていられるのかなと思っていました。思わずクスッと笑いました。

時折、思います。死んでしまった人に思いを伝えることはできないのでしょうか。伝えられたら良いのに。それとも伝わっているのでしょうか。

No title

前説の話も 本題の話も怖かったです。
仲の良かったカップルの誤解が生んだ悲劇 怖いけど、なんだか悲しいなぁ・・・  

No title

Kさんの前説にはいつもほっとします!

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すべてがサイコー

怪談界の重要文化財認定。

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No title

いつものように前説と誤字、いつものKさんに戻りましたね。

怖い話しが続きますね。

本日のお話は、すべてが青文字なのかと思った程の雰囲気。でも前説だったのかと混乱し、黒い文字の本題も怖い。Kさんも充電期間を経て文章の感じが進化したと感じてしまいました。有り難うございました。

今日見たら前説が復活されててうれしかったです。怖い話も前説も楽しめるブログは他にはありません。
これからも無理なさらないペースで更新してください。
今日の話はなんだか後味の悪い話だなと思いました。愛が憎しみに変わる、怖いです。